Rosa Pomar

 ウールを愛する研究家 / ライター /  毛糸ショップ 'Rosa Pomar' オーナー / 毛糸プロドゥーサー 

ロザさんの毛糸についてはこちら

ロザさんは現在まで6種類のポルトガルの毛糸をプロデュースして作ってきました。ロザさんのお店にかかっているポルトガルの地図には14種類の羊がそれぞれの地域に描かれています。その地図を見ながらこのポルトガルの素敵な全14種類の羊の羊毛を使って毛糸を作りたいのと話してくれました。

これからも彼女が作り出す新しい毛糸に出会えるのがとても楽しみです。

ZAGALで編んだもの

ロザさんの毛糸の一つZAGAL(ザガル)

Beiroaで作ったブランケット

ZAGALを使ってロザさんが娘さんに編んだカーディガン

FEP - 編み物のどんなところが好きですか?
Rosa Pomar -全てが好きだけれどその中でも何かと言ったら、糸を編むということで着るものが作り出せるという事。色んな違う種類の糸や道具、そして編み方を選んで冒険編みをするのも好きです。そして編み物をする人なら分かると思うけれど編んでいてリラックスできるんです。それがとても好きです。


-ウールについてはどんなところが好きですか?
-ウールが一番好きです。本格的に編み物の研究を始める前からもともと編み物をしたり、クロシェットを作ったり刺繍をすることが好きだったけれどウールの編み物をすることがその中でも一番好きでした。羊毛は伸びがいいから編棒の上では滑りがいいし、出来上がった羊毛のセーターの温かみも大好き。特に冬に感じる手編みの柔らかい感触や裸足で感じるウールのカーペットの感触もすばらしいと思います。そして羊はとても優しくて寛大な動物で大好きです。

編み物の研究のビデオ https://vimeo.com/laemtemporeal

- ポルトガルの羊毛の良さはどんなところだと思いますか?
-この国に住んでいる人にとって自国産のポルトガルの羊毛を使うという事はエコロジカルでとても良いこと。それ以外にもポルトガル羊毛の良いところは沢山あります。例えば完全に手作業で作られたBucos(ブコス)という毛糸を選ぶという事は全滅危機にある羊や古来の毛糸作りの知識や技術を守ることに繋がります。ポルトガルの羊達は隔離の全くない環境でとても健康に育ちます。そしてほとんどの羊の食事環境は自然の丘や山の中の牧草地です。今までたくさんの羊飼いに出会ってきましたがこの国の羊達はとても幸せな暮らし方をしていると私は強く信じています。ポルトガルの羊毛を使うという事はストレスフリーで優しいこの国の羊、そしてその羊飼いの存在を守ることに繋がるのです。

- ポルトガルの羊毛の特徴はなんですか?
-この国の羊の暮らす環境に順応してできる羊毛はとても弾力性があります。全ての羊達は放し飼いで育つため、近年他国で見られるように羊乳や羊肉生産の為に工作された環境で育っていません。彼らはとてもユニークで100%自然の生き物なんです。そして古来から受け継がれている手作業の羊毛刈りから毛糸作りの技術は受け継ぐものが少なくて消えてしまう危機にありますが、この国ではTrás-os-Montes(最北の地域)からAlgarve(最南の地域)、そして離れ諸島も含める国じゅうに暮らす素晴らしい女性陣によって現在でも生存しています。



















 




















- いつポルトガルの羊毛を使って毛糸を作ることを始めたのですか?その理由は?
-私の1番最初の毛糸は2010年に作られました。長い間、ポルトガルの羊毛はどこへ行くのだろうと疑問を持っていました。ポルトガル産のウールの毛糸はどこで買うことができなかったのです。毛糸を作るポルトガルの会社はあるのですがこの国の羊はオーストラリア産のメリノ羊毛のように柔らかい毛糸ではないので扱うことをしないのです。私が毛糸を作ると決めた時は柔らかさは問題ではありませんでした。私にとって大事な事、そして大好きな事実は他とは違う質感、特別な毛糸作りのプロセス、そして、本当に自然な毛糸でしか得られない素敵なウールの混ざった色合いがとても好きです。ポルトガルの羊毛を見つけてからはこの国生粋の羊の種類についてもっと知りたくなったんです。そしてそのほとんどんの種類が絶滅の危機にあるとわかったんです。


 - そしてその目的は何ですか?
-ポルトガルの羊毛は何処にいくの?いくつの種類の羊がポルトガルにはいるの?その羊毛はどんなものなの?という質問の答えを人々に伝えたいのです。そして私たちの国の羊達を守るということはそこに関わってきたこの国の素晴らしい遺産であり伝統を守っていくということなのだと知ってもらいたいのです。


- ポルトガルの羊毛はどんなものを作るのに適していますか?
-何世紀にも渡って私たちの先祖達が作ってきたものです。それは美しいブランケットに靴下や帽子、そしてセーターです。ポルトガルの編み物の歴史について書いた本には素晴らしい編み物の写真をたくさん載っけてあります。日本語でも言われる「メリヤス編み」はポルトガル語からきているんですよ。日本に初めに編み物を伝えたのは実はポルトガル人だとも言われています!
















-一番人気のポルトガル羊毛の毛糸はどちらですか?
-Beiroa(ベイロア)です。一番初めに作った毛糸なので他のものよりも長いあいだ販売されています。

- 最近の若い世代にも編み物は親しまれていると思いますか?
-はい、今の若い子たちも編み物が好きな人はたくさんいます。その事実は私にとってもポジティブで嬉しい傾向です。私の娘の二人も編み物を教えて欲しいと言ってくるし、他の小さい子供達もその親戚や友達に編み物を教わっているのを知っています。

- お店では海外から来るお客さんもいますか?
-世界各国色んな国からのお客さんが訪れてくれます。ほとんどの人は編み物をするけれどポルトガル産の羊毛をみた事の無い人達ばかりなのでそんな人達にポルトガルの羊毛や技術を教えてあげることが好きです。

- お店で行うワークショップについて教えてください。
-編み物や他の裁縫を教えることはとても好きです。2本の棒と毛糸玉だけで洋服が作れるのは本当に素晴らしい技術だと思うのです。クラスの後はみんないい笑顔で帰って行きますよ。​




 














​​March 2015​

ロザさんが作り出す毛糸、そして彼女のプロジェクトに惹かれもっと色んな話を聞きたくなりました。彼女が教えてくれるストーリーはとても刺激的でワクワクするものでした。

ロザさんの名前がお店の名前になっている Retrosaria(毛糸屋) "Rosa Pomar"は賑やかなリスボンの中心街のとても古い建物の中にあります。ここでは編み物、クロシェットなどの裁縫のワークショップも行われています。

お店についてはこちら

Rosa Pomar (ロザ・ポマルさん)は2008年にオンラインで毛糸を売り始め、その2年後にリスボンに毛糸屋さんをオープンしました。小さい頃から編み物が好きでウールに関わってきて30年以上で近年にポルトガルの羊、ウール、毛糸についての研究を開始。数年前には 'Malhas Portuguesas' (ポルトガルの編み物)というタイトルの本も出版。彼女が作るウールの毛糸は自然にとても近く正直で美しいポルトガル羊毛100%。

ポルトガルの羊、ウールに関してとても熱心な研究家であり、すばらしい毛糸のクリエーターです。

ロザさんが作り出すスタイルはとても素敵で、ポルトガルへの愛を強く感じることができます。彼女のお店には暖かい光と素敵な色で溢れています。ポルトガルの新しい羊毛探の彼女のプロジェクトはこれからも続きます。この先も彼女によってどんな毛糸ができるのかとても楽しみです。